松本第一高校生が農業・テーブルマナー体験学習

2025.08.12

 松本市の学校法人外語学園松本第一高校は7月29・30日、JA信州諏訪総合野菜部会役員で五味昭裕さん(47)の茅野市のズッキーニほ場と同市のフランス料理店「オーベルジュ・エスポワール」で体験学習を行いました。同校食物科の1年生約70人が参加。調理師免許取得を目指す生徒たちが農産物の生産現場を学び、それを活用するレストランでテーブルマナーを学びました。

 この学習は毎年行っています。同店の藤木徳彦オーナーシェフは「料理人は食材がないと料理ができない。食材がどのように作られているかを知り、おいしく無駄なく調理するのが調理師の役目だ」とし、協力しています。

 五味さんは今回初めて協力しました。ほ場3カ所(計2ヘクタール)でズッキーニ年間50万本の出荷を目指しています。

 29日は、同科5組34人が参加。ほ場で、五味さんが定植から収穫までの流れを説明。除草剤を使わず週1回、草刈り機で畝間の草を刈っていることなどを紹介しました。

 その後、収穫を体験。株から実を探して手で持ち、収穫ばさみで根本を切り取りました。その場でカットして味わい、残りはお土産として持ち帰りました。

 同校の中澤沙羅さん(16)は「とても手が込んだ栽培方法だと知り、思いが込められているんだなと感じた」と話しました。

 五味さんは「収穫は大変な作業で、一生懸命やっており、多くの人に支えられているからできている。皆さんの包丁さばきで、諏訪のズッキーニを全国に広めてほしい」と応援しました。

 オーベルジュ・エスポワールでは、テーブルナフキンや食器の扱い方、パンの食べ方などを一つ一つ学びました。コースメニューの一つ「鹿肉と豚肉 ズッキーニのクレピネット包み焼き」には、五味さんのズッキーニを使用。地元農産物のおいしさを引き立たせるフレンチ料理を味わいました。

 藤木オーナーシェフは「社会人になったらテーブルマナーは常識になるので、今日は基本を押さえてもらいたい。けれど、食事するうえで一番大切にしてほしいのは、楽しく食べてもらうことです」とアドバイス。また、「当店にはジビエ料理もある。ジビエのおいしさが広まり、諏訪地域の農産物被害の軽減に繋がってもらえればうれしい」と思いを語りました。

五味さん(左)に教わりながらズッキーニを収穫する生徒
オーベルジュ・エスポワールでテーブルマナーを学ぶ生徒