JA信州諏訪の組合員で、野菜農家を営む久保芳一さん(41)は3月下旬、富士見町のほ場で2025年度初めてのレタスの定植を始めました。1年間で、ブロッコリーやキャベツ、ハクサイを18ヘクタール分栽培。JA富士見町営農センターや有限会社トップリバーに計90000ケースの出荷を目指す計画です。「農業による地域の活性化に貢献したい」という思いを胸に、遊休農地の活用や雇用創出にも積極的に取り組んでいます。
久保さんは愛知県出身。「地方で農業に携わりたい」という思いから2007年、農業の研修制度がある有限会社トップリバーに就職しました。研修期間中、同町で働く先輩から同町の魅力を教えてもらい、転勤を希望しました。その後、さらに富士見農場で経験を積み、農地の斡旋を受け独立しました。
同社での勤務時代、「農業で地域の活性化を目指す」という考えに感銘を受け、自身も「貢献したい」という思いから遊休農地の活用と雇用創出に力を入れています。遊休農地は主に地元住民からの紹介を受けたものです。15ヘクタールある農地のうち、12ヘクタールは遊休農地を活用しています。雇用は、独立1年目から始めました。25年度は正社員や海外からの技能実習生ら10人を受け入れています。
4月21日、同町のほ場約45アールに従業員と2人で移植機を使い36000本のレタス苗を定植しました。6月中旬頃から収穫する予定です。
将来を見据え、現在は「栽培面積を維持したまま、農業を続ける施策を考えている」と話します。「年を重ねるにつれ、長い労働時間や早朝からの作業が体力的に負担になっている」と言い、収穫時期の分散や収穫作業の機械化の他に、現在保有している機械で収穫できる大豆や麦などの栽培を検討しています。
久保さんは「多くの人と良好な関係を築きながら、農業に取組めている。農業は地域の活性化につなげることができる産業。今後は試験栽培をする品目を見極めたい」と話しています。
写真=移植機でレタスを定植する久保さん(長野県富士見町で)
