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JA信州諏訪管内で今年、菊原哲さん(30)学さん(24)兄弟が、イチゴ農家として新規就農しました。富士見町立沢のパイプハウス4棟(計20アール)で、長野県オリジナル品種「サマープリンセス」を栽培。6月14日早朝、10パック(1パック300g)をJAに初出荷しました。「サマープリンセス」は、酸味と甘みのバランスがよく、色づきもよいため、市場や企業からの需要が高い品種。管内でJAに出荷する生産者は茅野市で2人。同町でJAに出荷する生産者は初めてです。
菊原さん兄弟は、南佐久郡川上村出身。高原野菜を営む両親の影響で、幼い頃から農業に親しんできました。学生時代、哲さんは原子力や地球環境、学さんは経済分野について勉学に励んだ後、ともに農家で生計を立てたいと決意。好物のイチゴが夏場は輸入に頼っていることを知った哲さんが、「長野県の気候であれば栽培できる。さまざまな情報をデータ化して、イチゴにとって最適な環境を研究したい」と、夏秋イチゴでの就農を選び、学さんも賛同。学さんの大学卒業のタイミングで、里親研修を開始し、複数品目の農業技術を広く学びました。昨年8月から半年間は、同村の専業農家から定植から収穫までの一連の作業を教わり、習得しました。
標高が高く、夏秋イチゴの栽培に適しているとして富士見町に移り住みました。地元住民から、それまで水田だったほ場を借り受けて整備。収穫後の稲の根本を刈り取る作業から行ったといい、哲さんは「弟と2人で手が足りない時には、家族にも応援にきてもらった。施設整備の大変さを身に染みて感じた」と振り返ります。
今年1月1日、開業。2月末にパイプハウスが完成し、3月上旬から定植を開始しました。温度や湿度の管理が難しく、病害対策など改善点は多々ありますが、「収穫し、パック詰めし終えたときは、これまでの苦労を思い出し、感慨深くなると同時に、高品質なイチゴをもっとたくさん出荷したいと気持ちが奮い立った(哲さん)」と初出荷の喜びを語ります。
兄弟で栽培や生育状況に関する相談などはし合いますが、「それぞれで責任をもって育てたい」と、パイプハウス4棟を2棟ずつ分け、個人経営を行っていきます。
哲さんは「いつも親身になって助けてくださる先輩農家、JAのおかげで計画よりも早く就農することができた。定植の時期や株間、日々の管理方法などを模索し続け、多くの人においしいと言ってもらえるイチゴを栽培したい」。学さんは「個人経営ではあるが、兄と知恵を共有することで、早く栽培技術を向上させたい。経営が安定してきたら、規模も拡大できたらと思っている」と語ります。
初出荷当日は、小松八郎組合長、小林昇経済担当常務理事が激励に訪れました。
小松組合長は「異常気象が続くなか、次の生産品目を模索しており、施設利用のイチゴ栽培も選択肢の1つだと考えていた。現在、当JA管内には2戸の農家が県オリジナル品種『サマープリンセス』を栽培出荷いただいている。まだまだ技術的に厳しいところもあると聞いているが、県の普及センターとともに支援していきたいと思っている。」と期待を寄せました。
新規就農した菊原哲さん(右)、学さん
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