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諏訪の堰(せぎ)研究し30年 茅野市の五味省七さん

茅野市の五味省七さん(88)は30年以上にわたり、諏訪地域の「堰(せぎ)」(長野県以外の地域でいう〝農業用用水路〟)と、その開発整備にあたった同市出身で江戸時代中期~後期の治水家・坂本養川(1736-1809)について研究をしています。養川に関する数々の史料を調べ、その功績と自らの見解をまとめあげた『改 新田開発・諏訪の水利 坂本養川に関する年表』(2020年9月1日、広祥堂 宮坂製本所発行)など、多数の本を出版。先人の知恵と努力により見事な治水体系となった堰と、その恩恵を受けた豊潤な水を使って栽培される諏訪地域の米の素晴らしさを、多くの人に伝え続けています。

 

 五味さんは、同市玉川菊沢に生まれ育ち、高校の物理教員として80歳まで教鞭をとりました。50代の頃、地元区長や大河原堰総代を引き受けたことをきっかけに堰や養川に興味をもち、『長野県史』や諏訪地方の郷土史、関連する古文書を手に取り、研究を始めたといいます。

 

 養川は、全国を旅して培った堰の知識と「河筋方(かわすじかた)」とよばれる諏訪藩士や家族の協力を糧に、山岳地帯から居住地へ用水を届け、水田地帯にくまなく配水し、余った水は不足している地域に廻す「繰り越し」の技術をもつ「養川堰」(平成になって「総合治水体系」と判断)を開拓。「養川堰」は、同市・原村・富士見町・諏訪市・下諏訪町・岡谷市からなる諏訪郡のほぼ一帯に及び、約220年たった今日まで継承されています。

 

 2019年11月、国際かんがい排水委員会(ICID)が、同市の「滝之湯堰(たきのゆせぎ)」と「大河原堰(おおかわらせぎ)」を、世界かんがい施設遺産に認定。安曇野市の「拾ヶ堰(じっかせぎ)」とともに、県内では初めての登録となりました。これを受け、五味さんは「養川堰の一部分のみの認定だったが、諏訪地方の堰の特徴である繰り越し技術が大いに着目された。堰そのものが優れているからこその登録。ユネスコの世界遺産ではないという人もいるが、世界遺産であることには変わりなく、諏訪の人にとっては誇らしいことなので、もっと多くの人に知ってもらいたい」と訴えます。

 

 現在は、諏訪の自然・水環境の歴史と自身の思いを次世代に継承していくため、『用水堰の世界遺産登録と諏訪地方の水環境の歴史研究』と題して執筆を進めています。

 

 五味さんは「豊かな水なしで、おいしい米をつくることはできない。諏訪地域が米の産地であり続けるためにも、堰の歴史を語り継いでいくことはとても意義のあることだと思っている。ブランド米に向けて、販売方法を含めてJA営農部と検討を重ね、信州諏訪産米を広めていきたい」と語っています。

 

せぎ研究 五味省七さん.JPG 

諏訪地方の堰と坂本養川の研究を続ける五味さん

 

せぎ研究 五味省七さん2.JPG

尖石縄文考古館前にある坂本養川像と五味さん。

後ろに流れているのが「滝之湯堰」

 

著書:『養川「三之切小請け負い控え帳」』(2020年5月10日、広祥堂 宮坂製本所製本)

 『諏訪地方の用水堰と諏訪藩の文書稟議決裁方式』(2020年7月10日、広祥堂 宮坂製本所製本)

『諏訪の用水路と農耕言葉』(2020年12月15日、広祥堂 宮坂製本所製本) ほか

茅野市図書館 市民館図書室にコーナーを設けるなど、多くの人に自身の著書を広めている。

 

 

 

 


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