お知らせ
JA信州諏訪野菜専門委員会だいこん専門部会(今井忠部会長)は、ダイコンの収穫作業の機械化へ向けた検討を始めました。11月5日に茅野市内のほ場で、収穫機と引抜機のデモンストレーションを実施。部会員やJA職員約60人が集まり、導入の検討に向けて動作を確認しました。部会員の平均年齢が75歳を超える中、「作業負担による生産量の減少に歯止めをかけ、50年以上続いてきた産地や高い栽培技術を継承していきます」(JA営農部)。
重量野菜のダイコン栽培において、引き抜き作業は「もっとも労力がかかる」(生産者)。高齢化による生産量の減少が危惧される中、今年10月、JAは部会事務局を務める上原輝也営農指導員を国内有数のダイコン産地である青森県の「JAおいらせ」へ派遣。同JA管内では、生産者が土づくり、播種、病害虫防除などを行い、収穫作業は乗用型収穫機を保有しているJAが受託。作業の効率化や生産者の負担軽減につなげていることを視察しました。
デモンストレーションには、水稲用のコンバインをベースに開発された乗用型収穫機と、比較的小型な自走式引抜機を用意。メーカー担当者が操作し、機械による収穫を実演しました。
両機はダイコンの引き抜きと葉の裁断が自動で行えます。収穫機は荷台へ大型コンテナを設置するスペースを備え、収穫後の運搬もできますが、コンテナへの詰め込みは手作業で行うため、運転手の他、数人の作業員が必要となります。引抜機は1人で操作でき、乗用型に比べ安価。生産者は機械で抜き取ったダイコンを拾い上げるだけでよいため、省力化につながります。
JAは今後、部会員の意見を聴きながら、収穫作業の受託や機械の購入費用助成などを検討します。
同市豊平地区では昭和39年からダイコン栽培が始まりました。冷涼な気候と石の少ない黒ぼく土の大地、首都圏に近い立地条件などから生産量が急速に増加し、県下トップの生産量を誇る産地に発展。八ヶ岳連邦のひとつ蓼科山のふもとで栽培されることから、「たてしな大根」のブランドで、主に中京や甲信地区に出荷されています。
最も生産が盛んだった53年には約48万㌜(1㌜10㌔)が出荷されていましたが、現在は約7万5000㌜にまで落ち込んでいる状況を踏まえ、上原指導員は「生産者の高い技術と恵まれた立地で育つ『たてしな大根』は、市場からの引き合いも強い。生産量の維持・拡大に向けて、検討を重ねていきたい」と話しています。
ダイコン収穫機の動作を確認する部会員ら(2018年11月5日、茅野市内ダイコンほ場)
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