イベント
茅野市で「きく」を生産する「やまファーム」は11月7日、茅野市の茅野市民館イベントスペースで、出荷規格外などのマム(洋ギク)を使って生け花を実演するイベント「アートの力でフラワーロス削減!」を開きました。インスタグラムのライブ配信機能を使った生中継も行い、全世界に向けて信州諏訪の花の魅力を発信し、フラワーロスへの関心を訴えました。
「やまファーム」は2019年、鈴木紘平さん(42)と妻の仁美さん(30)が創業。鈴木さん夫妻は、山のある暮らしを求めて、2017年4月に名古屋から同市へ移住し、花き農家で2年間の研修を経て独立しました。主な出荷は輪菊で、マムはハウス2棟で栽培しています。「『きく』といえば仏花のイメージが強いかもしれないが、色鮮やかなマムのことも多くの人に知ってほしい(鈴木さん)」と、マムのPRに力を入れており、昨年10月に開いた「マム展示会」に続き、イベントの開催は2度目となります。
今回は、「持続可能な開発目標(SDGs)」12.5廃棄物の削減に呼応し、茎の曲がりや草丈不足、葉の病害などで出荷規格外となったマムの活用法の一つとして企画。鈴木さん夫妻が今年8月にインスタグラムで行った、「きく」の魅力を再発見する企画で知り合い、意気投合した群馬県の華道家大川春雪さんに協力を依頼し、実現しました。
当日は、「やまファーム」と地元生産者から「フエゴダーク」「チスパ」「ゼンブラライム」など18品種(計300本)を集めました。
会場には、約200人が訪れた。ステージでは大川さんが、仁美さんとトークしながら生け花を制作。仁美さんは、マムの種類や栽培にかける思い、日々の農作業で苦労していることなどを語りました。紘平さんは機材を手に、インスタグラムでのライブ配信を行いました。
作品は、約1時間で完成。色鮮やかなマムや鈴木さん夫妻が今年初めて栽培した稲が生けられた豪華な仕上がりとなりました。大川さんは「テーマはきく農家へのエール。誠実で一生懸命なお2人へ、大変なことや失敗もあるかと思うけれどこれからも頑張ってほしいとの思いを込めて生けました」と話しました。
来場した伊那市の女性は「マムに興味があり、『やまファーム』のインスタをフォローしている。こんなにきれいなのに、捨てられるのはもったいない。今日のように、活用できる場があるならぜひ応援したい」と話していました。
鈴木さんは「信州諏訪の『きく』のブランドを守り、発展させていけるよう、前進し続けたい。今後は他の地域でもこのようなイベントを計画していきたい」と抱負を語りました。
写真=「曲がりのある花も、生け花の世界ではよい味になる」と話し、出荷規格外のマムを生ける大川さん
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