野菜ブログ
茅野市の笠原慎吾さん(34)は2023年4月、個人事業主「八ヶ岳かさはら農園」を創業し、同市内で新規就農しました。夏秋イチゴ、レタス、トウモロコシを生産します。「おいしい農産物」にこだわって、日々栽培管理に励んでいます。
笠原さんは諏訪市でリンゴ農家を営む両親のもとに生まれ、「自分も農家になりたい」という思いを強く持っていたことから、28歳で勤め先を退職。農業法人で5年間、レタスなどの葉物野菜、その後2年間夏秋イチゴの栽培・管理方法を学び、農業用ドローンのライセンスも取得しました。
従業員1人のほか、家族や友人、アルバイトの協力を得ながら茅野市内で夏秋イチゴをハウス3棟(約17アール)、レタス・トウモロコシを約70アール栽培します。
2023年度は3月15日、レタスの苗を定植し、5月初旬から6月13日まで収穫しました。5月20日からはレタスの収穫後の畝をそのまま利用し、トウモロコシの苗を定植。8月3日に初出荷し、9月中旬頃まで収穫します。畑の有効活用を目的に笠原さんがアイデアを絞り、二毛作を行っています。レタスの収穫後、そのままの状態でトウモロコシが定植できるのが最大の魅力です。トウモロコシの定植間隔の狭さが懸念されましたが、「粒が揃い、実が大きなものが順調に収穫できている。生食でき、とても甘い仕上がり(笠原さん)」といいます。収穫後のトウモロコシの茎を粉砕して畑に戻すことで有機肥料とし、もともと水田だった畑の水はけ向上につなげたい考えです。
夏秋イチゴは6月10日から定植を始め、9月20日頃から12月頃まで収穫する予定。品種は「信大BS8‐9」で、「星がきれいな場所で育ったイチゴ。数あるイチゴのなかで一番星のように1番輝いてほしい」という願いを込めて「苺番星(いちばんぼし)」という愛称で出荷。今後は「苺番星」と記した同園オリジナルのパッケージを製作し、地元直売所や小売店、インターネット販売をめざします。
就農にあたり、笠原さんは「マルチ張りや定植作業など、やり方はわかっていても自分で行うのは初めてで、うまく進まないことが多かった。近隣農家や友人、家族、JA職員に助けられ、とてもお世話になった」と振り返ります。
現在は、熱中して農業に取組む毎日だといい、「自信を持って『おいしい!』といえる農産物をつくりたい。また、就業体制を整え、従業員やアルバイトに農業を仕事にする魅力を日々感じてもらいたい。農業で地域を盛り上げていければ嬉しい」と意気込んでいます。
トウモロコシを収穫する笠原さん