花ブログ
原村の阿部長衛さん(66)は2023年度、アネモネを栽培するハウス全6棟(計10アール)で、細霧冷房を導入しました。ハウス内の室温が5~10度下がり、8月17日現在、昨年に比べ生育状況は良好。9月末ごろまで稼働する計画です。夏の暑さによる生育不良の改善に向けた取組みが、順調に進んでいます。
アネモネは管内の冬季主力品目で、出荷最盛期は1月から3月。2023年度は生産者12人が計7400ケース(1ケース、階級によって60~120本入り)の出荷をめざします。
生産者は、例年5月下旬から6月上旬にかけて定植を開始。7月から8月は株を丈夫にするため花を摘み取る「株養成」行いますが、高温を嫌う品目のため、この時期の猛暑対策が喫緊の課題となっています。
阿部さんは1990年からアネモネを栽培しています。栽培当初の夏の最高気温は27~28度ほどでしたが、近年は30度を超える日が増え、直近2~3年は株落ちや病気が発生。JA営農部の職員の提案を受けて導入を決めました。アネモネのほ場では管内で初めてです。
今年6月、頭上かん水装置を設置。毎日10時と14時にハウス内の室温を確認し、40度を超えている場合は5分間ほど稼働させます。装置からは細霧が噴出する仕組みで、数十秒でハウス全面にムラなく広がります。その後、30分から1時間で室温が下がるといいます。
今年度は5月31日から定植を開始。現在は株養成に取組んでいます。初出荷は10月初旬頃を見込んでいます。
阿部さんは「今年は葉の緑が濃く、株落ちが少ない。細霧冷房の効果を実感している。このまま順調に栽培が進み、出荷本数を増やせればと思う」と期待を込めます。
JA原村営農センターの中嶋拓真担当は「高温が続いており、生産者は定植初期の苗の活着不良や株養成に苦労している。細霧冷房の効果が現れてうれしく思う。今後も細霧冷房の有無による生育の違いを把握し、導入を検討する方の相談にも応じていきたい」と話しています。
細霧冷房を稼働したハウスを確認する阿部さん(左)と中嶋担当