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トルコギキョウ土壌還元消毒実演会/諏訪農業農村支援センターとJAが連携して実施

 JA信州諏訪花き専門委員会トルコギキョウ部会は7月28日、諏訪農業農村支援センターが主催する「トルコギキョウ土壌還元消毒実演会」に協力しました。部会員で、JA理事の原村の小島幸夫さん(67)が所有するハウスで実施。部会員ら約40人が集まり、新しい土壌消毒方法を学びました。

 

 当JA主力栽培品目であるトルコギキョウの高品質・安定生産を維持するうえで、立枯病の克服が課題となっています。立枯病は葉の萎れ、枯れ上がりが生じる土壌伝染性病害のひとつです。同支援センターは2020年から、立枯病の病原菌であるフザリウム属菌の発生抑制に向け、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の研究資料などを参考に、低濃度エタノールと米ぬかを使った土壌還元消毒方法を試験しています。今回は、部会協力のもと実演会を行うことになりました。

 

 小島さんは、10年ほどトルコギキョウを栽培していますが、近年は連作障害・立枯病に悩まされ2021年は大幅に出荷量が減少しました。今年は、作付けを見合わせハウスを休ませることもあり、試験実施に協力いただきました。

 

 試験はハウス2棟(1棟約1.6アール)で実施。1棟目は低濃度エタノール、2棟目は米ぬかを利用した土壌還元消毒を行いました。

 

 低濃度エタノール区は、65%エタノールを1%に希釈した水約1万8000㍑を、3~4時間かけて散水装置で散布。透明農ポリで被覆しました。

 

 米ぬか区は、米ぬか225㎏を手作業で散布。トラクターで耕耘した後、土壌鎮圧を行いました。その後、2~3時間ほど潅水し、透明農ポリで被覆しました。

 

 消毒実施期間は約1ヶ月を見込んでいます。9月上旬には2棟とも被覆を撤去、適度に乾燥させた後、耕起しフザリウム菌密度を調査する予定です。

 

 同支援センターの秋山祥恵普及指導員は「低濃度エタノールによる土壌還元消毒は深層への処理が可能。米ぬか利用による土壌還元消毒は深層には届きにくいが、比較的安価で入手もしやすい。どちらの方法も、湛水に近い状態まで散水を行うため、平らな圃場であることが必要だが、今後の試験結果も参考にしながら、活用を検討していただきたい」と呼びかけました。

 

 小島さんは「低濃度エタノールの方は圃場の形状や実施可能な設備があるかなど、複数の条件を満たさなければならない方法だが、よい試験結果が出れば、新しい土壌消毒方法として生産者に普及してほしい。立枯病を克服し、諏訪地域の農業振興につなげることができればうれしい」と期待を寄せました。

 

 参加者の矢島克典さん(茅野市)は「試験結果を踏まえ、自分のほ場でも取り入れられそうであればぜひ実施したい」と話しています。

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希釈した低濃度エタノールの散布(低濃度エタノール試験区)

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米ぬかの施用(米ぬか試験区)